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脳神経外科(聴神経腫瘍)

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脳神経外科

聴神経腫瘍

聴神経腫瘍は良性脳腫瘍のひとつですが、聴神経から発生する腫瘍です。聴神経には、音を聞くときに機能する蝸牛神経と平衡感覚に関係する前庭神経とがあります。症状は、聴力低下、ふらつきなどの平衡機能障害顔面神経麻痺などです。顔面神経麻痺で、片側の顔の筋肉が動かなくなるので、顔がゆがんでしまう症状です。

聴神経腫瘍は、小脳や脳幹が存在する後頭蓋窩という後頭部の外側に発生します。主には良性腫瘍ですが増大すると、聴力障害、平衡機能障害、顔面神経麻痺のほかに、小脳や脳幹の圧迫症状が出現して生命にかかわってきますので、手術による腫瘍摘出が必要です。手術後に顔面神経麻痺が出現すると顔が曲がってしまうという目立つ症状であるため、術後顔面神経麻痺が出ないようにして腫瘍をできるだけたくさん摘出できるような手術が望ましいことになります。このときに、最も力を発揮するのが、手術中のモニタリングです。

  1. 腫瘍に押された顔面神経がどこにあるかを同定するのに、電気刺激をして、顔面筋から筋電図反応を記録することにより、顔面神経であることが確認できます。これにより、近くに顔面神経が存在するかどうか、また、術野に見えた神経が、顔面神経かどうかを確定します。
  2. 腫瘍よりも脳の側で電気刺激をして、顔面筋から筋電図反応を記録します。腫瘍摘出中もこの反応を記録してその変化に注意し、軽度の変化のみで、腫瘍が摘出できれば、顔面機能が保存されて手術が終了できることになります。顔面筋麻痺が術後に見られないようにするために、または、最小限にするために、モニター筋電図を見ながら、腫瘍の一部を残すこともあります。
  3. 腫瘍が小さくて、有効な聴力が残されている場合、聴性脳幹反応(ABR)といって、手術中にイヤホンから音を出して頭皮上からその反応を記録する方法を行います。この反応が低下しないように腫瘍摘出を行うことによって、聴力が残せる可能性がありますが、術前の聴力障害の程度や、腫瘍と神経との癒着の程度、また、神経を栄養する血管の影響もあるので、確実性が高いものではありません。しかし、術前の聴力がのこっている場合は、ABRを手術中にモニターすることによって、できる限りの聴力保存をめざします。
    手術後は、めまい、ふらつき、嘔気嘔吐がある程度みられますが、その程度や持続期間については個人差があります。これは、主に、腫瘍摘出中の小脳の圧迫による症状です。我々は、手術中の患者さんの体位を工夫して、この小脳圧迫を最小限にし、術後のつらい症状が軽減できるよう努力しています。