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呼吸器外科(自然気胸)

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呼吸器外科

がん医療連携手帳

がん医療連携手帳とは~がん診療連携のための連絡帳です

全国どこでも「質の高いがん医療」を受けられることを目標に、全国にがん診療連携拠点病院が指定されています。指定を受けた病院は、がん診療の質の向上、及び医療機関の連携協力体制の構築に関して、中心的な役割を担うこととされ、単に、がん診療の体制や設備を揃えるだけでなく、がん診療に関する地域への情報発信や、地域の医療機関との診療連携などについて積極的な役割を果たすよう求められております。がん診療における地域医療連携の手段として、治療を施行した専門病院と、かかりつけ医療機関が協力して、専門的な医療と総合的な診療をバランスよく提供していくために、導入が進められているのが、地域医療連携手帳(がん地域連携クリティカルパス)です。

がん治療を得意とする大きな病院(「拠点病院」)では、大きな治療(手術)や大きな検査(CT検査など)などがん治療や方針決定などの部分を担い、長期的な投薬や日常の病状管理などは普段から通院診療を担当している「かかりつけ医」が担うことで、特定施設、特に大病院での患者集中と、それに伴う過剰な業務負担を避けようとすることが一つの目的です。結果として拠点病院は高度ながん診療に専念でき、かかりつけ医は拠点病院からもたらされるがん診療情報を日常の病状・健康管理に生かすことができるようになります。

手帳の中身は

地域医療連携手帳には、治療内容(術式)や詳しい診断名、進行度などが記載されているだけでなく、地域連携診療計画書として5年間(肺がんの場合)の定期検査の予定表が示されています。

連携パス

この予定表に基づいて診察や検査を指定された病医院で行うことになります。この予定表には、5年間(肺がんの場合)に、どの検査を、どの施設で、いつ頃受けるかが一覧となっていて、拠点病院とかかりつけ医の役割分担が明確に示されています。検査や診察の結果は、簡易なチェックリストやメモとして記録されていく仕組みで、長期にわたる診療経過が非常に見やすいよう工夫されています。転居などで、かかりつけ医や拠点病院そのものが変わっても、主治医や担当医が転勤などで変わっても、手帳をもとに、切れ目なく、継続的な診療が実施できることが大きな利点で、手帳自体は患者が所有していますので、いつでも自分の診療記録を見直すことができ、医師同士のやり取りや評価を確認できるようになります。

もちろん、この手帳を持参しても、かかりつけ医でCTなどの検査を行うことや、手帳に記載されていない検査・医療行為を、禁止したり、規制・制限するものするものではありません。少なくとも肺がんについて言えば、検査の間隔や内容はあくまでも一つの基準や目安を示すもので、複数の専門医の経験に基づくコンセンサスとして作られたものです。厳格な医学的根拠を持って、検査の内容や間隔などを決めたものではありません。「術後1年」や「3年3か月」などの期日も、多少の幅をもって運用していただいて問題ありません。

万一、再発などが見つかり、肺がんに対して、追加の検査・治療が行われる場合は、この手帳の役目は終了です。

がん診療で手帳があるのは、今のところ「主要ながん」についてだけです

埼玉県では埼玉県がん診療連携協議会などが中心になって作成した【埼玉県がん医療連携手帳】が、東京都では東京都福祉保健局などが中心になって作成した【東京都医療連携手帳】 があり、行政単位によって若干異なるものの、ほぼ同じ内容の手帳になっています。地域医療連携パスは、がん診療以外でも製作されている例もあるようですが、がん診療については肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がんのなどの主要ながんについてだけ作成されているだけです。(順次拡大されています)

「肺がん」で、手帳があるのは条件に合う一部の方だけです

埼玉県が作成した肺がん診療連携手帳は、肺がんの中でも、手術単独治療が最も有効であると認められ、クリティカルパスの導入が容易である肺癌進行度IA期の肺癌手術後の方を対象にしたものです。

これ以外の肺がん診療に関するものは、現在のところ、企画や製作の予定もてありません。この条件以外の肺がんでは、手術後にどのような治療をすべきか画一的に決められにくいことが、主な障害となっています。他の条件でも医療機関が独自に手帳を作成している場合もありますが、当院では、上記の条件以外の方には現時点では手帳をお渡ししていません。

手術後に抗癌剤治療や放射線治療が必要な方、追加の治療を行わないほうが望ましい方、など大きな治療方針だけでなく、検査の間隔や内容などは、その時の病状や体力などによりケースバイケースで随時変更されます。手帳がない場合は、病状に合わせて診療を進めていくこととなります。

当院の肺がんの手帳は

(行政)地域や施設(拠点病院)によっては、これ以外の肺がんの方に対しても、がん診療連携手帳が導入されている場合もありますが、現在のところ、当科で手帳がお渡しできるのは、『肺がんの手術を受けられ、病理診断の結果、腫瘍サイズが2㎝以下で、病期ⅠA期と診断されて術後に抗がん剤治療を行う必要はない』とされた方に対してだけです。この手帳をお持ちの方は、再発が見つからない限り、原則として定期的な(再発のチェックのための)検査と診察のみで良く、定期通院の期間は5年間になります。(5年を過ぎても、再発の危険は少ないながらもありますのでご注意ください)

手術後6ヵ月以降は、かかりつけ医で定期的な診察を受けていただき、体調の変化や再発の有無をチェック、手帳に結果を記録していただきます。CT検査などは年1回、手術を受けた病院(当院)で行うことになっていて、その検査結果などは手帳に記載されます。特段の異常や再発などが見つからない限り、次の(手術した当院での)検査・診察までは、かかりつけ医で診療を続けていただき、当科へ受診されるときは、かかりつけ医から診療情報提供書をご持参頂くことになります。


連携手帳内容 連携手帳表紙

かかりつけの先生方へお願い

当科では、該当する手術を受けた方の了解のもと、この手帳を積極的に利用させていただくこととしております。かかりつけ医にあたる地域の先生方には【がん医療連携手帳(肺がん)】を御活用いただき、がん診療へご協力ご支援を賜れば幸いです。

【手続きが変わりました】

平成22年診療報酬改定により、この手帳に基づいて診療を行った場合、診療所等(連携医療機関、かかりつけ医)では「がん治療連携指導料」が算定できるようになりましたが、診療報酬の算定に当たっては、計画策定病院(当院)だけでなく、かかりつけ医である連携医療機関(貴院)も、あらかじめ関東信越厚生局に施設基準の届出を行う必要がありました平成24年度の改正で、計画策定病院が一括届出できるようになり、かかりつけ医の手続きが簡素化されております。多くのがん種でこの算定が可能ですので、まだ届け出が行われていない場合は、是非この機会にお届けください。

「がん治療連携指導料」については診療報酬点数 第2章 第1部 医学管理等 がん治療連携指導料の項を御参照ください。届け出の手続きなどご不明の点につきましては、当院医事課医療連携室までお尋ねください。

【特別な診療は必要ありません】

手帳を持参しても、かかりつけ医療機関では、肺がんに関わる診療は基本的に必要ありません。肺がん手術の前に、かかりつけ医療機関で行われてきた診療をご継続ください。かかりつけ医として診察の結果、何も問題なければ、手帳の該当欄に、『著変なし』『元気』でもご記入いただければ幸いです。抗がん剤の治療も当然不要です。

最低でも1年に一度は当院への受診をご指示ください。普段の診療の中で、何か問題があったり、経過についてご心配や不安を感じるようなことがあれば、手帳の診療予定にかまわず、いつでも当科受診をお願いいたします。