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呼吸器外科(研修・見学案内(卒後初期研修))

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呼吸器外科

卒後初期研修プログラム

ここは当科の初期研修用プログラムと初期研修医勧誘のための院内の研修医向けパンフレットです。院内用ではありますが、院外の先生方、学生諸君にも当科の研修内容を知っていただくのには良い資料と思い、転載いたします。他のページと重複する部分もありますが、ご了解ください。

呼吸器外科から研修医の諸君へ

【はじめに】

内科やっておけば外科なんか研修することない、なんて思っていないでしょうか。もちろん大きな間違いです。至適治療が明確となった近年の医学では、内科と外科は全く違う疾患を扱うようになり、接点となる疾患はありますが、お互いの代わりになることはありません。さまざまな診療科を医師として経験できる機会は今しかありません。呼吸器外科を志望している人はもちろんですが、むしろ、将来呼吸器内科になろうと思う人や外科医を目指している人、まだなんとなく、面白そうな診療科に出会っていない人などは、是非一度呼吸器外科を研修してみてください。短期間でいいんです。

正直、呼吸器外科には派手さがありません。チームなんとか、ドクターなんとかとか、外科医が主人公の物語はたくさんあるものの、呼吸器外科医が主人公になることはまずありませんし、学生時代もおそらく疎遠な領域であったかもしれません。呼吸器外科の面白さはそこに一定期間身をおいてみないとわかりません。やってみると、結構面白いんです。私も含めて今、一線で活躍する呼吸器外科医のうち、初めから呼吸器外科を目指していた人なんてほとんどいません。何らかの理由で(おそらく不本意ながら)この分野を担当するようになり、(不覚にも)その魅力に取りつかれて残ってしまった人ばかりです。

【呼吸器外科のいいところ】

<みんなスタートが一緒>

呼吸器外科は学生に馴染みが薄いせいか、はたまたカリキュラムに十分な時間が割かれていないか、ほとんどの研修医は知識ゼロといっていい状態で研修を始める。学生時代は遊んだけど、これから頑張る人にはチャンス大。何にも知らなくって当たり前、素直に学べる人の方が伸びる。肺癌のStaging覚えてないって?大丈夫。どうせまた、すぐ変わるんだから。

<人がいい>

これは大きい。負けず嫌いの人はいるけど、呼吸器外科には総じて(少なくとも外向きには)紳士的な人が多い。一部の外科系の学会では、えらい外科医の先生が感情をむき出しに、お互いを罵倒するような場面に出くわしたこともあったし、手術中に道具を投げ飛ばすような外科医も何人か見たことがあるが、呼吸器外科では見たことがない。呼吸器外科の手術は心臓から肺を切り離す作業の連続であり、とても繊細で、小さなミスが大きな事故につながる。謙虚で慎重な性格でなければ呼吸器外科は続けられない。自ずとケンカ腰の人は淘汰されている。

<学閥がなく実力本位だ>

学閥はあるが、学会長や教授選にでも出なければ全く関係ないのが呼吸器外科。消化器外科や心臓外科に比べて小さい領域なので、10年もいれば国内のどこの誰がどんな仕事をしているか、大体覚えてしまう。お互いの仕事ぶりや技術なども大体わかりあっている(つもり)。長らく呼吸器外科の講座がない大学が多かったので、学閥を形成しがたかったのだと思う。良い仕事をする人は評価される世界だ。

<緊急時の対応力がある>

呼吸器外科以上に気道確保の方法をいろいろなアプローチで実施できる診療科はあるだろうか。やはり緊急時はまず気道を確保できてからだ。首が曲がらなくても気管支鏡があれば挿管できるぞ。気管切開、気管穿刺、人工肺。循環器の先端医療は無理でも呼吸や循環生理も理解しているし、外傷にだって対応できる。肺の血管が縫えるんだから大概の血管だって大丈夫。 胸郭という骨格系も扱ってるんだぞ。骨膜剥離子を使える外科医って知ってる?

<画像診断がすごい>

単純レントゲンなら呼吸器外科だ。おそらく放射線科医よりたくさん見ている。みんな、よくそんな実力で胸部レントゲン読影とかできるな。自信があるのか。CTがあれば大丈夫?そのうち痛い思いするぞ。そもそもそんな実力でいいのか?呼吸器外科医はCTだって誰より読んでる。読んでるレベルが違うぞ。だって、その血管一本一本に番号を付けられるんだから。

<内視鏡検査や治療もできる>

胃カメラで始まった内視鏡も、すぐに気管支に応用されて様々な検査、治療手段として使われている。観察、生検、ステント治療、レーザー治療、超音波下生検、気管支塞栓療法などなど。呼吸器外科以外の診療科でも、重症患者や大手術後の術後管理には、今や病棟での気管支鏡処置が欠かせない。大手術を行う外科系に進むなら、若いうちに必ず覚えておきたい手技だ。

<呼吸と循環の生理を学べる>

当然だろう。これを知らずして胸部外科医とは言えない。肺機能=肺活量なんて思っていないか?呼吸って、吸って始まるのか吐いて始まるのか知ってる?肺切除って、心臓の血管である肺動脈や肺静脈を心臓を止めずに切り貼りしているんだよ。

<先端の病理学・分子生物学>

胃癌も大腸癌も乳癌もみんな腺癌だよね。だからウエルとかパピラリーとか言って、腺癌前提でしか話をしない。呼吸器に来ると多彩な病理診断に出くわす。そもそも肺癌は腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌…だ。何でこんなに多彩なんだろうね。病理を知らなくても外科医はできるが、呼吸器外科を究めるのは難しい。

<日本の呼吸器外科は世界一だ>

信じがたいが、呼吸器外科という独立した診療科があるのは日本だけだ(今は諸外国にも少しあるようだ)。戦後全身麻酔が日本に導入されて初めて大手術が可能になった時、日本で最も蔓延していたのが結核だった。結核外科の隆盛が今日の日本の呼吸器外科の礎になっている。欧米では心臓外科医が肺の手術を片手間にやっていた時代が長く続いたため、今や世界中で日本が最も呼吸器外科が盛んな国となったのだ。そんな経緯もあって、今や技術的にも学問的にも日本の呼吸器外科は世界一の水準にあるといえる。

<呼吸器内科とはなかよし>

呼吸器内科と呼吸器外科の分業は進んでいて、ほとんど棲み分けは完了しているといっていい。内科と外科の間で、患者の奪い合いや擦り付け合いなどはあまり見られない。外科抜きでは内科の業務に支障が出るし、内科なくして外科もない。内科外科が反目しがちな診療領域もあるが、呼吸器では見られない。

<忙しくない>

これは本当。きちんと術前評価され、順当に手術が終われば、術後管理に時間を取られる割合は少ない。短時間の小手術を多数行うという領域ではなく、大手術をじっくり深くやる。国内のどこの施設も呼吸器外科医一人当たりの手術件数は100件を超えない。もちろん、外来や検査、学会研究活動など忙しく働こうと思えば、いくらでも仕事はある。

<一芸でいい>

狭い呼吸器外科の世界では何か一芸に秀でていれば、あっという間に業界のヒーロー(その分野のオーソリティ)になれる。何か興味を持てるテーマが見つかればその一点を深く追求すればいい。楽だ。対象とする臓器も多くないので、比較的早く一人前に手術ができるようになるのも特徴。私は卒後2年目には簡単な肺切除を、卒後3年目には肺癌の手術を沢山させてもらった。

<ポストが空いている>

正直、呼吸器外科は若い人には人気がない。裏を返せば競争相手は少ない。学閥がないのも大学にも人が足りないからだ。現在の学会員などの構成を見る限り、少なくともあと10年はポストの心配はいらないと思う。呼吸器外科医になるなら今だ。

<将来は呼吸器内科専門医も取れる>

外科医は手術をやめたら、呼吸器内科に転向できる。少し勉強すれば専門医を取れるよう制度も変更された。

<なんといっても外科医だ>

外科であることの面白さは、やはり捨てがたい。医者にならなければよかったとか、この医局に入らなければよかったとか思ったことはあるが、なぜか外科医にならなければよかったとか、呼吸器外科でなければよかったと思ったことはない。外科は体力がいるとか敬遠する人がいるが的外れだ。体力の要らない診療科などない。目が悪いとか、すぐお腹壊すとか、そんな心配も無用だ。やれば誰でもできるようになる。あの複雑な肺の血管をどうやって処理していくか、3D構築像を見ながら頭でイメージする。ドキドキしながらも、イメージのように手術が進む。どれほど面白いだろう。君もできるようになる。とにかく体験してみてほしい。本当かどうか、面白いかどうか、君自身で確かめてほしい。

大口のように思われるかもしれませんが、特に、当埼玉病院呼吸器外科では、胸腔鏡手術でも国内最高水準の手技手術を誇っています。施設外の呼吸器外科医に対しては、多くのセミナーや実技講習、講演を行い、毎年外部から手術の見学者もありますが、院内の研修医には興味を持ってもらえていないようです。初期研修医の段階では技術水準を見極めることは難しいかもしれませんが、どんな考えの人間がやっているのかだけでも、きっと勉強になると思います。

部長は研修病院としては有名な某施設で長くキャリアを積み、外科系の研修プログラム責任者を務めました。全国から集まる多くの研修医を相手に、糸結びに始まり、持針器の持ち方、点滴による管理のイロハから、手術手技や学会発表に至るまで指導してきました。彼らも今や東京のがん専門病院や大学病院などで活躍しています。卒後間もない諸君らの実力もよく知っています。その経験を基に作成したプランです。安心して(?)研修においで下さい。

以下に研修の目標など掲載していますが、やはり研修者の力や性格、家庭環境にまで目をやって、指導する方法が、最も間違いが少なく、最も効果が高い研修方式だと考えております。呼吸器外科での研修に不安や質問があれば、いつでも相談に応じますので、気軽に声をかけて下さい。

卒後初期臨床研修としての呼吸器外科研修

【研修期間について】

当院のプログラムでは、呼吸器外科研修期間は卒後2年目に最短1ヶ月から選択可能となっています。さすがに1ヶ月では、広い範囲の研修は難しいと思われますが、どのような研修期間であれ(例え1日の見学でも)それに合わせた研修指導を行っていきます。期間の異なる研修で、しかも長くても数か月では、一律な研修目標を挙げても効果的な研修はできません。研修の目的や、あなたの将来構想に合うようお勧めの研修期間を提示していますので、参考にしてください。

【研修方式】

当科では、原則マンツーマン指導で研修指導を行います。何を学び、どう考えて実践するか、カルテの記載から糸結びのような手術手技にいたるまで、ハンズオンで指導します。マンツーマン指導では、指導医は、まさにあなたの家庭教師。研修者の能力や性格などを見ながら、臨機応変に指導すべき研修内容を考え、習熟度に合わせて研修のスピードを調整します。一方的で、時にお客様扱いになりがちな研修とは一線を画します。

研修者は、医療技術や知識だけでなく、診療行為のベースになっている先輩医師の考え方を学んで下さい。ロールモデルとしてでも反面教師としてでも、指導医の価値観や哲学、倫理観を学んでみてください。

受け持つ入院患者数は決して多くありませんが、学ぶべきことは多いですので、研修には比較的時間をかけ指導しています。時間外や週末の呼び出しもほとんどありませんので、勤務のあとは現場での指導を基に自学自習して短い研修期間を有効利用して下さい。

【研修に必要な素養】

外科医は自分自身が、先輩や同僚、ときには後輩など、人から教わってきた体験を持ち、幸か不幸か、外科医はみんな教えたがりです。業務の性格上、教わることに抵抗があっては向上できない領域です。皆それぞれに憧れ尊敬する先輩をもっていて、自分も憧れられるような外科医になりたいと思っています。外科はチーム医療が身上で、仲間を大切にし、「やる気」を重んじています。積極性・向上心を持っているなら何も心配はいりません。器用不器用も関係ありません。言われたことをきちんと実行でき、チームに貢献しようとする気概があれば十分です。

【研修期間】

研修制度の見直しで、初期研修における呼吸器外科研修の期間は、柔軟に対応できることとなりました。卒後1年目で数週間~、卒後2年目では数カ月まで、各人の希望と受け入れ診療科の体制などで、研修期間は一律規制せず、柔軟に対応していきます。当院では外科系、小児周産期など様々な研修プログラムを用意していますが、特定のプログラムに拠らず、比較的自由に診療科を選んで、研修プログラムをカスタマイズできます。下に当科で考える、将来の方向性を考慮した研修期間と習得目標の目安を示しておきました。研修指導責任者と相談しながら、良いと思うプログラムを作って実りある研修をしてください。

【学ぶべきこと】

<外科=手術手技の研修ではないことを学ぶ>

外科研修では、外科系診療部門の基礎部分の技術と、それが立脚するところの医学的知識を学びます。同じ症例を見ても、外科医のものの見方や考え方が、内科医とかなり違うことも学んでほしいことの一つです。外科では糸結びと縫合技術だけ学べば充分と思ったら大間違いです。外科が内科の延長ではないこと、外科=内科+手術でもないこと、を実感してください。糸結びや縫合技術もプロの外科医から学んでください。短い研修期間で技術を完全に習得することは無理であっても、少なくとも学び方と考え方は覚えて行ってください。内科治療で治らないから外科治療ではありません。外科治療が成立する理屈や理論の一端を調べてみてください。学生時代は軽く見ていた「外科総論」の重要性が認識できたら外科の初期研修の目標は達成です。

<外科では指導医について学ぶ>

診療業務では、指導スタッフが主治医となり、その副主治医として入院診療から手術、検査など常時指導医とともに行動し、臨床研修します。教科書や論文を調べてというより、多くはその指導医の見方や方法を学ぶことになります。指導スタッフが研修期間と習得状況を見て、責任を持って業務の内容を医学的科学的に指示・指導いたしますが、食事や雑談でもらす本音の部分を聞きもらさず、指導医について学んでください。

<今マスターできる手術・処置・検査手技を身に付ける>

呼吸器外科手術は自動縫合器など器械化が進み、誰がやっても同じと言える手技が増えています。手縫いの時代なら研修医ではできなかったような手技も、今なら研修医でもできるものが増えています。一つの手術をはじめから最後まで研修医が行うことはできませんが、細かい手技に分けてみると、ポートやトロッカーの挿入、簡単な肺部分切除など研修医でも参加できるものはあり、各自の習得度を見ながら、随時経験してもらいます。

気管支鏡検査は呼吸器内科と共同で行います。指導医の指導の下、是非経験して下さい。毎日できる検査ではありませんが、研修期間がある程度あるなら、基本はマスターできます。

観血的処置としては、胸腔ドレナージについて呼吸器外科で学んでください。手術室でのドレーン挿入と病棟での挿入の違いを感じられるはずです。

<術前術後がセットで手術が成立することを学ぶ>

術前術後管理を少し学んでください。当科では術前検査も術後管理も驚くほど簡略化されています。なぜ可能なのか覚えていってもらえるとうれしいです。肺を切除することがどのような影響を与えるのか知れば、呼吸機能=肺機能でないことも呼吸器外科では呼吸不全は扱わないことも実感できるはずです。もちろん、胸部外科医は必要に応じて厳格な輸液管理などもできなければいけませんが、短い初期研修では、その必要を感じることは少ないかもしれません。
手術が上手くいくのは、手術の選択と手術前後の管理が上手いからです。自分で術後管理できない手術をやってはいけません。将来、難しい手術がしたければ、術後管理はしっかり身につけてください。

診療行為別に見た当科研修の特徴

【解剖】

解剖学は手術に必要なだけでなく、画像所見や呼吸生理、病理診断などの理解に必要となる、私たちが最も重要視している知識です。当科では、おそらくあなたが持っているどの解剖学のテキストより詳しく胸部の解剖を学べます。学生とプロの違いを思い知ってほしいと思います。

【画像診断】

呼吸器外科の画像の読み方は呼吸器内科とも違います。呼吸器外科はおそらく他のどの診療科よりも胸部単純レントゲン写真を沢山見て勉強しています。生涯をかけてもマスターすることは難しい領域とも言えますが、限られた研修期間中に今後の勉強の仕方や考え方だけでも学んでください。呼吸器外科で学べば、2次元に投影された画像データが頭の中で立体的にイメージできるようになります。単純レントゲンの白と、CTの白が違うことも、それがMRIの白と、超音波の白とも全く違うものであることが、分かるようになるはずです。

【呼吸生理】

呼吸器外科で呼吸不全を扱うことはありませんが、呼吸生理の基盤は理解する必要があります。手術で恣意的に変更された肺の機能や呼吸の仕組みなどを手術前後の患者管理の中で学んでください。息は吸う行為なのか吐く行為なのか知っていますか?学生時代に学んだ肺活量や動脈血ガス分析の数値の見方がきっと変わります。

【気管支鏡検査】

気管支鏡は今や検査だけのものではありません。採痰のための処置や、喉頭鏡での挿管困難時、麻酔や人工呼吸器管理のときなど呼吸器外科でなくとも、気管支鏡が扱えれば診療の幅が大きく広がります。将来、食道外科や心臓外科など大手術をやりたいと思っているなら、当科で気管支鏡の勉強をして帰ってください。

【胸腔ドレナージ】

あなたは胸腔ドレーンの先端にいくつの穴が開いているか知っていますか?その理由を言えますか?考えたことがありますか?ドレナージは外科全般にわたるもっとも基本で重要な処置です。特に呼吸器では呼吸との関係で特殊なドレナージを必要とし、そこから得られる情報の解析と対応が日々の仕事と言っても過言ではありません。肋間にやや太めのチューブを挿入するドレーン挿入手技なんて、血管を確保するより易しく思えますが、これほどノウハウのある処置も他にありません。夜中に自信を持って救急当直ができるよう、当科でその挿入方法を学んでください。

【手術】

当科で行っているほとんどの手術が、完全鏡視下手術と言われる胸腔鏡手術でも最も難易度の高い手術です。私たちは胸腔鏡下縦隔気管再建を成功させ、世界に先駆けて報告、過去には不可能とまで言われた胸腔鏡下肺癌郭清手技なども独自に開発して、今や日常の手術手技にまで普及させてきました。これらの技術は先述の詳細な外科解剖の知識と、糸結びや縫合などの基本手技から徹底的に吟味検討して初めて実施できたものです。初期研修の段階でこれら難易度の高い手術を術者として経験することは難しいですが、その考え方や細かい手技を学ぶことは可能です。糸結びはできると思いますが、正しいかどうか考えたことはありますか?なぜ男結びが女結びよりほどけにくいか教えてもらったことはあるでしょうか。当科で勉強して下さい。

【学会活動等】

当科では埼玉・東京の地域限定の研究会から全国集会・国際学会まで積極的に学会活動に参加しています。シンポジストやセミナー講師だけでなく日頃の臨床研究の発表を行っており、和文だけでなく英文の学術誌などへの投稿も毎年行っております。国内外の学術誌の査読編集委員も務めており、学会や論文指導の希望があれば、基本(コンピュータの使い方から口演・投稿の方法まで)から徹底指導します。

進路別研修目標

月単位の研修期間では技術や知識を十分身に着けていくことは、なかなか難しいでしょうし、見栄えのいい目標を掲げていても、現実はそうはいかないこともよく承知しています。下に挙げた目標は一つの方向性の提案であって、必達の目標ではありません。本当に学んでほしいのは、プロとしての姿勢や考え方です。実際、当科は他の診療科を経験した人から見れば、かなりユニークな考え方、ものの見方をしているかもしれません。

日常業務のマネージメントにもコツがあると思っていて、他科のやり方に慣れていると驚くことも多いでしょう。検査結果の見方、安全管理や患者・家族への対応方法、共に仕事をするスタッフとの関係などどうしているのか、内科や麻酔科などからみた姿とどう違うのか、いろいろな視点で、当科を内側から見てもらい、今後の医師像の形成に役立ててもらえたらと思います。

(1)将来、外科医を目指さない人のための呼吸器外科研修

いずれにせよ研修期間により習得できる内容は様々です。解剖を覚えるだけでも1ヶ月では足りないかもしれません。研修の目的を明確にしておく必要があります。目標とするものが何かによって研修内容と目標は当然変わってきます。

将来の希望進路別に考えた研修目標の例(外科医を目指さない人のために)
呼吸器内科を目指す人 主に外科的視点から見た呼吸器疾患について研修します。術前術後の評価、ドレーンの管理や挿入方法、胸腔の解剖と特性など内科では重点的に学ばなかった点を中心に研修してください。
そのほかの場合 主として胸部の解剖を実際に見て胸部レ線読影のための実力をつけましょう。胸腔の特性を理解してください。
(2)将来、外科(外科系)医を目指す人のための呼吸器外科研修

外科専門医取得のための必須条件に【修練概要のうち診療経験:術者としての最低手術経験数、呼吸器 10例】があります。肺部分切除を中心としたブラ切除や良性腫瘍切除などが実施すべき手術として考えられます。卒後2年目の短い研修期間でこの条件を完全にクリアするのはきわめて難しいかもしれませんが、胸腔の特性や呼吸器手術の術後管理、画像診断などの知識や技術の習得が充分で、技量が必要な水準に達していると考えた場合、指導医の指導の下で術者として手術を経験してもらいたいと考えます。最も高い研修目標です。もしこのような目的で研修を希望し、後期研修などで、呼吸器外科手術に従事する可能性がない場合は、最低限6ヶ月以上の研修期間を設定してください。
外科系の領域を目指しているが、外科専門医の取得まではまだ考えていない人は、特定の手術術式にこだわらず、肺や縦隔内の手術操作の考え方を学び、実践できる範囲で、手術経験を積んでください。外科医は助手が十分務められるようになって初めて、術者として独り立ちできるものです。今後、長く手術に関わりたいのなら、早く術者になりたい気持ちを抑えて、まずは優秀な助手を目指しましょう。

将来の希望進路別に考えた研修目標の例(外科系医師を目指す人のために)
外科専門医を目指すが、
将来、呼吸器外科に
関わる可能性がない人
最低10例の呼吸器外科手術を術者として経験できるよう努力しましょう。
そのほかの場合 外科の王道に沿って、まず優れた助手をめざし、胸腔内の臓器の切除や縫合の方法などの手技を、習得しましょう。
(3)呼吸器外科専門医を目指す人は

呼吸器外科専門医を希望する人は、むしろ初期研修の時期は呼吸器外科の研修は短期間にとどめ、後期研修以降にじっくりと勉強するほうが良いと思います。研修期間は4ヶ月程度に止めその分を消化器外科や心臓外科などの研修に回すようお勧めします。参考までに当科の専門医養成のカリキュラムを以下に提示いたしました。是非3年目以降の後期研修をご検討下さい。

参考:呼吸器外科専門医養成のためのカリキュラム到達目標 (当科作成)
行動目標 研修方略
1年目 呼吸器外科医としての基本的倫理観、論理的思考、基礎的医療技術を習得する。 上級医の指導の下、呼吸器疾患の診断に関する基本的事項について担当症例を通して理解する。診断治療のための診療を計画しその結果を評価できる。胸部外科的救急処置や難易度の低い手術に関して指導医の下実践できる。
2年目 診療にあたり患者やその背景を理解した上で行動できる。呼吸器外科に関する知識や技術の向上をはかる。 呼吸器疾患に関する診断技術を習得する。担当症例を通し重篤な合併症を持つ症例も含めて術前術後の管理を習得する。難易度が中等度とされる手術について指導医の指導の下、実践できる。
3年目 地域医療における呼吸器外科の立場を理解し行動する。科学者として討論や批評に耐えうる専門的知識を習得し公開の場で自己主張できる。 自己の治療成績を評価公開し改善のための方策を検討できる。病棟業務にあっては後進の指導ができる。難易度が高度とされる手術について指導医の指導の下、実践できる。
4年目 対患者関係の医療現場にこだわらず、広く保険医療や医療行政に関心を払い事故・感染対策等の各種委員会に積極的に参画することで病院や組織の円滑運営のためのシステムに寄与する。 高難易度の手術を除く呼吸器外科手術を実施できる。呼吸器外科の専門的知識と技術の向上に加え関連する経済や法律的知識、マネージメント手法を習得し研究成果を学会等に発表する。
5年目 医療チームのリーダーとしての自覚と責任をもち、全体に配慮しながら日常診療にあたることができる。 呼吸器外科領域におけるあらゆる事態に適切に対応、必要な処置や手術が遂行できる。後進の臨床研究に関する論文や学会発表の指導を行う。